※本記事は、乳がん手術後の心の変化について綴った個人の体験談です。一部プロモーションを含みます。
乳がんの手術を終えたあと、理由もなく気持ちが落ち込む日がありました。
朝起きた瞬間から心が重い。何かをする気になれない。普通に過ごしているだけなのに、ふと涙が出そうになる。
周りから見れば、もう元気になったように見えるかもしれません。
でも私の中には、まだ不安や疲れが残っていました。
そんな日に必要だったのは、無理に前向きになることではなく、「今日は落ち込む日なんだ」と、今の気持ちを否定しないことでした。
体の傷が治っても、心は元通りではなかった
手術や大きな治療が一区切りつけば、安心できると思っていました。
けれど、通院の間隔が空いても、体調が少し戻っても、心の奥には緊張が残っていました。
再発への不安。変わった体への戸惑い。家族や仕事への心配。
元気に見える日でも、ふとした言葉や痛みをきっかけに、不安が一気に戻ってくることがあります。
「治療は終わったのに、どうしてまだ苦しいのだろう」
そう思うほど、誰にも言えなくなっていました。
心が安心できるようになる日は、同じではありませんでした。
「早く元気にならなきゃ」が苦しさを大きくした
落ち込んでいる自分を見ると、私は何度も自分を責めました。
「もっと前向きにならなきゃ」
「いつまでも引きずっていたらだめ」
「周りに心配をかけたくない」
でも、元気なふりを続けるほど、ひとりになった時の反動が大きくなりました。
日本乳癌学会の患者向けガイドラインでは、がんを経験した人が不安や戸惑いを感じることは心の反応として起こり得ると説明し、強い不安や落ち込みが続く時は医療者や心の専門家へ相談するよう案内しています。
落ち込んではいけないのではなく、落ち込みをひとりで抱え続けないことが大切なのだと思うようになりました。
気持ちが沈む日に、私が小さくしていたこと
心が重い日は、いつも通りの一日を再現しようとするだけで疲れます。
私は「元気になるために何かをする」より、「これ以上つらくしないために減らす」ことから始めました。
急がない用事は延期し、今日は最低限でよいと決めました。
理由をうまく説明できない日も、静かな時間を選びました。
食事、水分、服薬、睡眠など、今日を安全に過ごすことを先にしました。
カーテンを開ける、玄関へ出る、短い連絡をする。できる範囲で十分です。
温かい飲み物をゆっくり飲む。テーブルの上だけ整える。愛犬のそばで何もしない。
それで気持ちがすぐ晴れるわけではありません。
けれど、落ち込んでいる自分をこれ以上責めないための、小さな居場所にはなりました。
ひとりで過ごすことと、孤立することは違う
人に会うと元気になれる日もあれば、会話をすることさえ負担に感じる日もあります。
私は、無理に人へ会わない時間も大切にしました。
ただ、誰ともつながれないまま苦しさが深くなる時は、ひとりで耐える必要はありません。
そう伝えるだけでも、話し始めやすくなることがあります。
家族や友人へ話しづらい時は、主治医、看護師、臨床心理士、精神腫瘍科・心療内科・精神科など、心のつらさを相談できる専門家がいます。
相談したほうがよいサインを見逃さない
落ち込み方や回復の速さには個人差があります。だからこそ、期間だけで決めず、日常生活への影響を見るようにしました。
- 眠れない、または眠りすぎる状態が続く
- 食欲が落ち、食事や水分をとることが難しい
- 何をしても楽しめず、家事や仕事が手につかない
- 不安や涙が強く、ひとりで抱えるのがつらい
- 薬や治療を続けることが難しく感じる
これらがあるから、必ず心の病気というわけではありません。
けれど、心のつらさは体調や治療にも関わります。診察では「眠れない」「食べられない」「一日中横になっている」など、生活の変化を具体的に伝えると相談しやすくなります。
ひとりにならず、身近な人や医療機関へ今の気持ちを伝えてください。差し迫った危険がある時は119へ連絡してください。電話やSNSで相談できる公的な窓口は、厚生労働省「まもろうよ こころ」で確認できます。
厚生労働省|相談方法・窓口を確認する →無料で相談できる場所もある
治療後の不安、家族や仕事のこと、心のつらさなどを相談できます。患者本人だけでなく家族も利用でき、その病院へ通院していない方も無料で相談できます。
国立がん研究センター|がん相談支援センターを確認する →誰かと顔を合わせて話すことに抵抗がある時は、自宅から利用できる心理カウンセリングを選択肢として知っておく方法もあります。
オンライン心理カウンセリング Kimochi
乳がん術後の不安や落ち込み、家族には話しにくい気持ちを、自宅からカウンセラーへ話せるサービスです。料金、相談方法、カウンセラー情報を確認し、自分に合う場合に検討してください。
※医療機関の診断や治療、緊急時の支援に代わるサービスではありません。
🏠 Rino’s ROOM
気持ちが落ち込む日にも、暮らしの負担を少し小さくしてくれるものをまとめています。
Rino’s ROOMを見る →よくある質問
乳がん術後に気持ちが落ち込むのは、おかしいことですか?
がんの診断や治療後には、不安や戸惑い、落ち込みを感じることがあります。ただし、眠れない、食べられない、日常生活が難しいなどの状態が続く場合は、主治医や看護師、心の専門家へ相談してください。
診察で心のことを話してもよいですか?
話して大丈夫です。「眠れない」「涙が止まらない」「家事や仕事ができない」など、生活への影響を具体的に伝えると状況を共有しやすくなります。必要に応じて、臨床心理士や精神腫瘍科などにつないでもらえることがあります。
家族や友人には、どう伝えればよいですか?
すべて説明する必要はありません。「今日は静かに過ごしたい」「解決ではなく聞いてほしい」「病院へ一緒に来てほしい」など、今してほしいことを一つ伝える方法があります。
まとめ|落ち込む日も、自分を責めなくていい
- 体の回復と心の回復は、同じ速さで進むとは限らない
- 無理に前向きになるより、今の気持ちを否定しない
- つらい日は予定を減らし、安全に一日を過ごすことを優先する
- 眠れない・食べられない・生活が難しい状態は医療者へ相談する
- 公的な相談窓口や心の専門家も頼っていい
気持ちが沈む日は、弱い自分が現れた日ではありません。
大きな出来事を経験した心が、まだ安心できる場所を探している途中なのだと思います。
前向きになれない日も、今日を過ごしているだけで十分です。
一人で抱えきれない時は、どうか誰かの手を借りてください。私も、頼れる場所を知ることから始めました。
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※本記事は個人の体験と公的情報をもとにした一般的な案内で、診断や治療に代わるものではありません。心や体の状態、必要な支援には個人差があります。強い不安や落ち込み、睡眠・食欲の変化などが続く場合は、早めに担当医療機関へご相談ください。「消えたい」「自分を傷つけたい」と感じる時はひとりにならず、身近な人・医療機関・公的相談窓口へつながり、差し迫った危険がある時は119へ連絡してください。

