乳がん体験談【第8話】全摘と再建術の間で揺れた心。精密検査で突きつけられた現実

人生の軌跡と体験談

※本記事はプロモーションを含みます。

乳がんの告知を受けてから、約2週間。

初診の日から数えると、もう2ヶ月ほどが経っていました。

長かったようで、あっという間でもあったその時間の中で、私は少しずつ「自分の体に起きていること」と向き合わざるを得なくなっていました。

この日に行われたのは、がんの広がりや転移の有無を調べるための精密検査。
いわゆる「転移チェック」と呼ばれる、大切な確認のための検査です。

すでに「右胸全摘」という言葉を聞いていた私にとって、この日の検査は、ただの確認作業ではありませんでした。

これから先、自分の体がどう変わっていくのか。
何を失い、何を選ぶことになるのか。

そんな現実が、少しずつ“逃げられないもの”として形を持ち始めた日でもありました。

造影剤を流しながら受けた精密検査で感じたこと

この日行われたのは、X線検査とMRI検査でした。

血管やリンパの流れ、病変の広がりをより詳しく見るために、造影剤を点滴で流しながら進めていく検査です。

これが想像以上に、地味にしんどかった。

造影剤が体に入っていくあの感覚。
なんとも言えない違和感と、腰のあたりにじわじわ広がる不快感。
さらに、長時間同じ姿勢で仰向けのまま動けないことも、思っていた以上に辛かったです。

「痛い」と言うほどではないのに、確実にしんどい。
そんな種類の苦痛が、静かに体に積み重なっていく感じでした。

しかも途中で、点滴の入っていた腕の痛みに耐えきれなくなり、やり直してもらうことに。

そのあと腕は青く腫れてしまい、針を刺した跡がまたひとつ増えました。

その腕を見たとき、ふと胸の奥に落ちてきたのが、「ああ、私は本当に病人なんだな」という感覚でした。

診断名を告げられたときよりも、検査の痛みよりも、
そんなふうに自分の体に残っていく“痕”の方が、妙に現実味を持って迫ってくることがあります。

それは静かで、でも確かに心に刺さる実感でした。

「全摘」という現実を前に、心だけが追いつかなかった

幸い、当時の段階では「転移のリスクは低い」と言われていました。

でもその一方で、主治医から告げられていたのは「右胸全摘」という選択でした。

私は最初、もっと単純に考えていました。

悪い部分だけを取って終わるものだと、どこかで思っていたのです。

胸を失うことも、その先の見た目の変化も、
まだ自分ごととしてうまく想像できていませんでした。

インプラントで再建すること。
自分の体の組織を使って再建すること。
そんな話は、どこか別の世界のことのように感じていました。

けれど、病気を受け入れる前に、「失った後をどうするか」まで決めなければならないというのは、想像以上に過酷なことでした。

まだ心が追いついていないのに、選択だけは迫られていく。

「胸がなくなることを、ただ受け入れるしかないのかな」

そんなふうに、少しずつ気持ちが諦めの方へ傾いていった時期もありました。

Rino’s Choice|心の置き場がなくなった時に、頼れる場所

病気そのものも苦しい。
でも本当にしんどいのは、その病気によって“自分の心まで置き去りにされること”なのかもしれません。

検査、説明、決断。
次から次へと現実が押し寄せてくる中で、心の整理はどうしても後回しになってしまいます。

そんなとき、病院の診察室とは別に、自分の気持ちをそのまま言葉にできる場所があることは、思っている以上に支えになることがあります。

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「胸を失うかもしれない」
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そんなふうに、頭の中も心の中もいっぱいになってしまうとき。
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病院では話しきれないこと。
家族や友人には言えないこと。
強がってしまって、うまく出せない本音。

そういうものを、いったん誰かに預けられる場所があるだけで、人は少しだけ呼吸しやすくなる気がします。

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※本記事は個人の体験談であり、特定のサービスや治療を推奨するものではありません。診断や治療については、必ず医療機関を受診してください。

インプラントか、自家組織か。再建術というもうひとつの選択

最初は「再建なんて自分には関係ない」と思っていました。

でも、調べていくうちに、少しずつ見え方が変わっていきました。

そして、保険適用の範囲でできることがあると知ったことで、ようやく「ちゃんと考えてみよう」と思えるようになったのです。

そこから私の中で始まったのが、“失ったあとをどう生きていくか”という、もうひとつの悩みでした。

インプラント(人工乳房)という選択肢

まずひとつ目は、インプラントによる再建。

これは人工乳房を使って胸の形を整える方法で、比較的よく知られている選択肢です。

メリットとしては、手術時間が比較的短く、体への負担が少ないこと。
長時間の大きな手術を避けられるのは、確かに大きな安心材料でした。

ただ、その一方で、人工物である以上、いずれ入れ替えや再手術が必要になる可能性があるという現実もあります。

それを知ったとき、私の中では少しずつ気持ちが離れていきました。

「また数年後に、同じように手術を受けるのかもしれない」
そう思うと、その選択を自分の中で前向きに受け止めることができなかったのです。

自家組織による再建術という選択肢

もうひとつが、自分の背中やお腹の組織を使って胸を再建する方法でした。

これは“自分の体の一部”を使うため、自然な温かさがあり、人工物のような劣化の心配が少ないと言われています。

つまり、長い目で見れば「一生、自分の胸として生きていける」可能性がある方法でした。

ただし、その分だけ手術は大掛かりになります。

手術時間は10時間を超えることもある。
当然、体への負担も大きく、傷も増える。

命を守るための手術だけでも十分に怖いのに、そこにさらに“再建”という大きな選択が重なってくる。

どちらを選んでも、簡単な道なんてひとつもありませんでした。

傷だらけの体。それでも私は、私でいたかった

自家組織での再建を考えたとき、私の中に一番大きくあったのは、お腹への抵抗感でした。

私はすでに、帝王切開と子宮全摘で、お腹を2度切っています。

その傷があるだけでも十分に重たかったのに、そこにさらにもう一度メスを入れるかもしれない。

「またお腹を切るの?」
「私の体、どこまで傷が増えるんだろう」

そう思ったとき、胸の奥に押し寄せてきたのは、悲しさというよりも、言葉にならない喪失感でした。

子宮を失って、今度は胸まで失う。

自分の体が、少しずつ“元の私”から遠ざかっていくような気がして、時々どうしようもなく苦しくなりました。

何もかも面倒になって、
「もう再建なんてしなくていい」
「ただ平穏に終わってほしい」

そんなふうに思った時期も、正直ありました。

でも、そこでまたひとつ大きな現実を知ることになります。

それは、一度失ったあとに「やっぱり胸がほしい」と思っても、後からの再建は保険適用外になる場合があるということでした。

その事実を前にしたとき、私はもう一度、自分の気持ちと向き合わなければならなくなりました。

怖い。
痛いのも嫌。
傷が増えるのも、もう本当に嫌。

それでも、それでも私は、「自分の組織で胸を再建したい」と思ったのです。

見た目の問題だけではありませんでした。

これはきっと、これからの人生を、自分が自分として受け止めて生きていくための選択だったのだと思います。

傷が増えてもいい。
それでも私は、これから先も“私”でいたかった。

通院の日々に、少しだけ気持ちを軽くしてくれたもの

病院に通う日々は、思っている以上に心も体も消耗します。

検査結果を待つ時間。
診察室の前で呼ばれるのを待つ時間。
帰り道、ひとりでいろんなことを考えてしまう時間。

そんな中で、ほんの少しでも「自分を守るもの」があると、気持ちは少しだけ違いました。

ここでは、通院や治療の時期にやさしく寄り添ってくれるものを、Rino’s Choiceとして残しておきます。

帽子|気持ちまで整えてくれる、小さな安心

治療や検査が続く時期は、見た目のことにも敏感になります。

帽子は、ただ頭を隠すためだけのものではなく、「今日は少しだけ自分を守りたい」という日に寄り添ってくれる存在でした。

やわらかい素材で締めつけの少ないものを選ぶと、病院の待ち時間や移動中も少しラクに過ごせます。

通院バッグ|必要なものをひとつにまとめておける安心感

診察券、お薬手帳、検査結果の紙、飲み物、羽織りもの。
通院の日は、意外と持ち物が多くなります。

そんなとき、通院専用のバッグのように“必要なものをまとめておける場所”があるだけで、慌ただしさが少し減ります。

気持ちが落ち着かない時期だからこそ、持ち物だけでも整っていると、それが小さな安心につながることがあります。

財布|病院の受付で慌てないための、静かな味方

病院では、お会計や受付、保険証や診察券の出し入れなど、細かな動作が意外と多いものです。

そんなとき、必要なものがすぐ取り出せる財布があると、思っている以上に気持ちがラクになります。

心がいっぱいいっぱいな時期ほど、日常の小さな“もたつき”を減らしてくれるものは、静かに支えになってくれる気がします。

まとめ|失うことと向き合いながら、それでも選びたかった未来

右胸を失うこと。
そして、その先をどう生きていくか。

それは、これまでの人生で経験したことのないほど、重くて静かな決断でした。

「命を守ることが最優先」
それはもちろん、何よりも大切なことです。

でも、いざその現実を目の前にしたとき、人の心はそんなに簡単には割り切れません。

見た目のこと。
傷のこと。
これから先の自分を、受け入れられるのかということ。

どれも、命と比べて軽い悩みなんかじゃなかった。

悩んで、迷って、何度も立ち止まりながら、私は少しずつ自分の答えに近づいていきました。

それは、ただ胸を取り戻したいという話ではなく、これからの人生を「私らしく」生きていくための選択だったのだと思います。

あの頃の私はまだ、未来を前向きに思い描けるほど強くはなかったけれど、
それでも確かに、「どう生きていきたいか」を必死に探していました。

次回記事へ

精密検査の結果がそろい、いよいよ私は「本当にどうするのか」という最終的な決断に向き合うことになります。

転移はあるのか。
そして私は、どんな手術を選ぶのか。

次回は、結果を聞く日の張りつめた空気と、私が最終的に選んだ「一次再建」という大きな決断について綴ります。

▶︎ 乳がん体験談【第9話-①】精密検査の結果。転移の有無と、私が下した「一次再建」という大きな決断

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※本記事は筆者自身の体験をもとに綴ったものであり、医療的な助言を目的としたものではありません。診断・治療・再建術の選択については、必ず主治医や専門医療機関にご相談ください。
※記事内で紹介している商品・サービスは、当時の自分に「こういうものがあれば少し助かったかもしれない」と感じたものを、個人の視点でご紹介しています。