※本記事はプロモーションを含みます。
術後2ヶ月を迎えても、心から安心できる日はまだ来ていませんでした。
命に関わる大きな不安は少し落ち着いたはずなのに、今度は目の前に残された身体の現実が、静かに心を締めつけてきます。
再建した胸の痛み、いびつな形、終わらない浸出液。
「これでよかったのだろうか」と、自分に問いかけたくなる日もありました。
それでも、完全に希望を手放したわけではありません。
悲しみの中にも、小さな光を探しながら過ごしていた頃の記録です。
乳がん体験談【第27話】再建への絶望と、それでも手放せなかった小さな希望
再建した胸に感じた、消えない違和感
術後2ヶ月と1日。
再建した胸は、私の中ではもうかなり絶望的に感じられていました。
傷の下からは、今も浸出液のようなものが出ています。
術後すぐの頃と比べれば、腫れが引いたのか小さくなったのか、見た目は半分ほどになったように感じます。
でも、その分だけ現実がよく見えるようにもなりました。
左右差ははっきりしていて、再建した右胸の脇側だけに脂肪が多く残り、横から見るとまだいびつなふくらみがあります。
触れると硬く、全体的に青っぽさも残っていて、ため息が出てしまうほどでした。
再建してよかったかと聞かれたら、今の時点では素直に「よかった」とは言えませんでした。
15時間にも及んだ大きな手術。
術後の痛みも強く、2ヶ月経ってもまだ痛みは残っています。
そこまでして選んだ再建なのに、思い描いていたものとは違う現実。
そう思うと、気持ちは静かに沈んでいきました。
希望を手放したくなる日もあった
もちろん、どんな結果でも受け止めていこうとは思っています。
でもこの頃の私は、再建に抱いていた希望を、少しずつ手放し始めていました。
胸を取り戻したい。
前向きな気持ちで手術を受けたい。
そんな思いで選んだ道だったはずなのに、今はそれをまっすぐ見つめることができませんでした。
ただ、ひとつだけ確かな救いがありました。
それは、ステージ0だったことです。
運よく命が守られた。
まずはそこに気持ちの終点を置いて、また新しく頑張っていこう。
そう自分に言い聞かせるように、何度も心の中で繰り返していました。
それにしても、私はいつまで大学病院へ通うのだろう。
そんな先の見えない思いも、時々胸に広がっていました。
それでも決めた、新しい命を迎えること
来週には、ゴールデンの子犬が我が家にやってきます。
ブリーダーさんは遠方で、生まれてから何度も会いに行ける距離ではありませんでした。
旅費も決して小さな額ではなく、今の自分の状況で迎える人はあまりいないのかもしれません。
それでも私は、この子を迎える決断をしました。
そこには、亡くなった愛犬への強い想いがありました。
麻酔から覚めたあと、現実と夢のあわいのような不思議な感覚の中で、私は何度も梵天丸のことを思っていました。
あの感覚は、ただの夢とは少し違うものでした。
愛犬の異変に気づいてから通院はしていましたが、最終的な検査で分かったのは、進行の早いリンパ腫の末期。
吐き気の症状が出てから、わずか3ヶ月。あまりにも早すぎる別れでした。
4歳と3日という短い生涯。
そして、その出来事は、自分のがんとも重なっていました。
精神的には、本当に絶望でした。
今でも思い出すと涙が出ます。
でも、だからこそ思ったのです。
残された人生を全うしよう。
自分が生きる糧を、ちゃんと持とう。
そのひとつが、この子を迎えるという決断でした。
もしも郭清だったら、叶えられなかった願い
もし腋窩リンパ節郭清になっていたら、きっと愛犬の遺言を果たすことはできなかったと思います。
けれど幸いにも、私が受けたのはセンチネルリンパ節生検でした。
身体の負担も、その後の動きや回復も、大きく変わっていたと思います。
だからこそ、今のこの流れは、どこか敷かれたレールの上に乗せてもらったようにも感じていました。
つらいことばかりではなく、見えないところで守られていた部分も、きっとあったのだと思います。
彼との距離と、少しずつ戻ってくる時間
彼との関係は、まだ以前とまったく同じようには戻っていません。
それでも少しずつ、一緒に過ごす時間は長くなってきました。
私に合わせてくれている気持ちが伝わってくるたび、ありがたいなと思います。
時々、数時間だけ一緒にご飯を食べる。
そんな静かな時間が、以前よりずっと大切なものに思えました。
そして明日は、術後初めて1日ドライブへ出かけてみる予定です。
以前はよく、彼がドライブに連れて行ってくれていました。
身体が少しずつ動けるようになる一方で、胸の状態は思うようにいかない。
だからこそ、かえって沈む日も増えたような気がしていました。
それでも、外の景色を見て、風を感じて、少しだけでも「前の自分」に近づけたらいい。
そんな思いで、その日を待っていました。
診察で聞いた現実と、わずかに残った希望
診察室に呼ばれ、細菌検査の結果を聞きました。
結果は異常なし。
感染ではありませんでした。
けれど原因は、やはり壊死した脂肪でした。
その言葉を聞いた瞬間、愕然としました。
思わず、「このままどうなってしまうんですか」と聞いてしまったほどです。
先生のお話では、壊死した脂肪は自然に外へ出していくほうがよいとのことでした。
思い切って選んだ再建手術。
それなのに、待っていた現実はショックと絶望の大きいものでした。
でも、そこで先生がひとつ希望を残してくれました。
半年後、胸の状態を見ながら脂肪の調整はできるかもしれないということ。
確かに今の胸は、見ているだけで悲しくなるほどいびつです。
それでも「このままでは終わらないかもしれない」と思えたことで、ほんの少しだけ希望が持てました。
再建後の道のりは、まだまだ長そうです。
ずっと気持ちを強く保ってきたつもりでした。
でもこの日は、久しぶりにこの病気のことで涙が流れました。
Rino’s Choice|外に出る日や心を整えたい日に寄り添うもの
長い通院のあいだや、少しずつ外に出られるようになってきた時期には、無理をしない範囲で気持ちを支えてくれるものがあると助かります。
ここでは、この頃の気持ちに自然に寄り添ってくれそうなものを、やさしくご紹介します。
バッグ|通院やちょっとした外出を少し楽に
通院が続く時期は、荷物の出し入れのしやすさや、肩に負担がかかりすぎないことが思っていた以上に大切でした。
大きすぎず、必要なものがきちんと入るバッグがあると、診察券やお薬手帳、飲み物などを無理なく持ち歩けます。
「少しでも身軽に出かけたい」という気持ちに、やさしく寄り添ってくれる存在です。
日傘|術後の外出に、安心をひとつ増やすために
体力が戻りきらない時期の外出は、思っている以上に疲れます。
日差しや暑さをやわらげてくれる日傘があるだけで、身体への負担が少し軽くなることがあります。
術後は無理をしたくないからこそ、こういう小さな備えが心強く感じられました。
宅配花|心が沈む日に、部屋の空気を変えてくれるもの
思うようにいかない現実が続くと、心まで重たくなってしまう日があります。
そんな時、部屋にお花があるだけで、景色が少し変わります。
明るく元気になるというより、張りつめた気持ちがほんの少しゆるむような、そんなやさしさがあります。
自分への小さなご褒美としても、大切な人への贈りものとしても、暮らしの中に静かなあたたかさを運んでくれる存在だと思います。
もしもの先に備えるという選択|保険を見直したい方へ
病気を経験すると、治療だけでなく、その先の暮らしや備えについても考えるようになります。
実際に体験してみて感じたのは、「元気なうちには遠い話だと思っていたこと」が、ある日突然、現実になることもあるということでした。
がん保険や医療保険は、今すぐ何かを決めるためだけではなく、まず知っておくこと、比較してみることにも意味があると感じます。
将来の自分や家族のために、落ち着いたタイミングで見直しておくのも、やさしい備えのひとつかもしれません。
絶望の中にも、わずかな光は残っていた
この頃の私は、再建に対して大きな希望を持てなくなっていました。
それでも、完全に真っ暗だったわけではありません。
ステージ0だったこと。
新しい命を迎える準備があること。
彼と少しずつ過ごす時間が戻ってきていること。
そして、半年後に調整できるかもしれないという小さな可能性。
人は、たったひとつでも光が残っていれば、また前を向こうとするのかもしれません。
まだ痛いし、まだ悲しい。
それでも私は、ここからまた自分の人生を進んでいこうと思いました。
関連記事・次回の記事へ
再建後の傷跡や現実と向き合った前回の記事から読むと、この日の気持ちの変化がより自然につながります。
▶︎ 関連記事:乳がん体験談【第26話】|傷跡と向き合う日。それでも前を向けた受診日
そして次回は、術後初めての長時間の外出と、その中で感じた心と身体の変化について綴ります。
▶︎ 次回記事:乳がん体験談【第28話】|脂肪壊死と知った日。崩れそうな心の中で見つけた希望
※本記事は個人の体験をもとに綴っています。治療内容や回復の経過、感じ方には個人差があります。体調や治療に関するご不安がある場合は、必ず主治医や医療機関へご相談ください。
※掲載している商品・サービスは、あくまで一例としてご紹介しているものです。ご自身の体調や生活環境に合わせて、無理のない範囲でご検討ください。

