乳がん体験談【第26話】|傷跡と向き合う日。それでも前を向けた受診日

※本記事はプロモーションを含みます。

うれしい結果を受け取ったあとでも、現実の痛みや悩みが消えるわけではありませんでした。

命に関わる不安がやわらいでも、体に残る傷、思うように進まない回復、失ったものへの気持ちは、また別の形で心に残ります。

この日は、再建した胸に残る浸出液や痛みについて診察を受け、思っていた通りの現実を告げられました。

今回は、増えてしまった傷跡、温泉への思い、診察で受けた説明、そして「もうこれで十分」と思えるまでの心の変化を記録します。

再建した胸の下から、浸出液が続いていた
赤みは少し引いても、痛みや違和感が残っていた
診察で、皮弁の一部がうまく馴染まなかった可能性を説明された

まだ続いていた胸の違和感

この日も受診日でした。

再建した胸の下からは、相変わらず浸出液のようなものが出ていました。時折ズキズキと痛み、赤みは少し引いてきたものの、まだ安心できる状態ではありません。

悩んだ末に決意して選んだ、腹部組織による同時再建。だからこそ、思うように回復しない現実が余計に胸へこたえました。

これは私の受診時点の経過です。術後の傷の赤み、熱感、痛み、腫れ、浸出液、発熱などがある場合は、同じ経過だと自己判断せず、手術を受けた医療機関へ連絡してください。

増えてしまった傷跡を見るたびに

以前、傷口から浸出液があふれた部分には、縦に太い傷が残りました。再建した皮膚には楕円形の縫い傷があり、その真ん中に新しい傷が重なっています。

鏡を見るたび、今でも少し悲しくなります。

この傷は、これ以上きれいにはならないかもしれない。

そう思うと、胸の奥が静かに沈みました。

お腹にも、これまでの手術痕があります。帝王切開、子宮全摘、そして今回の手術。同じ場所へ重なるように刻まれた傷跡は、細い線ではなく、私が生きてきた時間そのもののようにも感じます。

上半身にも新しい傷が増え、思っていた以上に、体にはたくさんの物語が残っていました。

失ってから気づく、好きだったもの

私は温泉が好きでした。

けれど子宮全摘以降、なんとなく足が遠のきました。そして乳がんの手術が決まった頃から、不思議とまた温泉へ行きたい気持ちが戻ってきました。

失うかもしれないと感じたとき、人は本当に好きだったものを思い出すのかもしれません。

けれど今は、公共の温泉へ入る勇気を持てそうにありません。行けないと思うほど、あの湯気や静かな空間、とくに大好きだったスチームサウナが恋しくなります。

貸し切りのお風呂なら、
いつかまた楽しめる日が来るのかもしれない。

何度も救われてきた命

私はこれまで、何度となく窮地で命を救われてきました。不思議なくらいに、子どもたちもそうです。

一度、大きな自損事故を起こしたことがあります。車は炎上し、ぼろぼろになりました。それでも、驚くほど大きなけがはありませんでした。

数日は起き上がれなかったけれど、誰も傷つかずに済んだことが何よりの幸いでした。

あのときも、今回も。見えない何かに守られてきたような気がすることがあります。

診察で告げられた、思っていた通りの現実

診察室に呼ばれたとき、病院はいつも以上に混んでいました。

そして診察では、残念ながら、私が望んでいたような説明を聞くことはできませんでした。

退院後から何度も悩まされてきた胸の腫れ、赤み、浸出液。先生からは、再建時の皮弁の一部がうまく馴染まず、部分的な壊死や脂肪壊死の可能性が高いと説明されました。

私の場合、皮弁全体ではなく一部の組織に問題が起きていると聞きました。これまで感じていた症状と説明がつながり、どこかで覚悟していたからか、強い驚きはありませんでした。

ここに記した内容は、私が診察で受けた説明を自分の言葉でまとめたものです。皮弁の状態や必要な処置は人によって異なります。傷や再建部に変化がある場合は、担当する形成外科・乳腺外科へご確認ください。

残された希望は、時間が癒してくれること

先生から受けた説明をもとに、今は変化を待ちながら経過を見ることになりました。

4ヶ月待って選んだ腹部からの再建。決して「大満足」と言える結果ではありませんでした。

痛みに耐え、通院を続けても、思い描いていた形とは違った。その現実に、正直、残念な気持ちはあります。

けれど、私には大きな救いがありました。それは、病理検査でステージ0と聞けたことです。

命が守られたこと。
その事実が、最後には私の気持ちをやさしく包んでくれました。

もうこれで十分だと思えたこと

以前は、いつか乳頭や乳輪まで再建して、胸を取り戻したいと思っていました。

けれど、今の私は少し違います。

傷が残ってもいい。
思い描いた通りでなくてもいい。

ここまで頑張ってきた体に、「もう十分だよ」と声をかけたい気持ちになりました。

失ったものだけを見るのではなく、ここまで生きてこられたことを大切にしたい。そう思えるようになりました。

🤎 Rino’s Choice|回復期の体に寄り添うもの

通院が続く日々は、気持ちも体も疲れやすくなります。ここでは、着替えや休む時間の負担を少し減らしたいときの選択肢を紹介します。

術後に適した衣類や寝姿勢は、手術方法や傷の状態によって異なります。締め付け、擦れ、痛みがある場合は使用を中止し、必要に応じて医療者へご相談ください。

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もしもの備えを考える|保険相談という選択肢

病気を経験すると、健康だけでなく、通院、仕事、生活費など、お金のことも現実的に考えるようになります。

保険相談を利用するかどうかは人それぞれです。すでに診断を受けている場合は加入できる商品や条件が異なるため、今の契約内容を確認したり、今後の備えについて情報を整理したりする選択肢として掲載します。

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今日は自分にやさしくして帰ろう

  • 浸出液や痛みが続き、思うように進まない回復がつらかった
  • 増えた傷跡を見るたび、悲しさを感じた
  • 診察で、皮弁の一部に問題が起きている可能性を説明された
  • 思い描いた再建結果とは違っても、命が守られたことが大きな救いになった
  • ここまで頑張った体に「もう十分」と言いたくなった

まだ通院は続きます。思い通りにいかず、悲しくなる日もあります。

それでも今日ここまで来て、診察を受け、現実を受け止め、また前を向こうとしている。それだけでも十分に頑張っていると思いました。

だから今日は、自分に小さなご褒美をして帰ろう。そんなふうに思えた一日でした。

関連記事・次回の記事へ

胸の赤みに気づき、急きょ受診するまでの記録は、前回の記事に綴っています。

続きとなる第27話では、再建への希望が崩れそうになったときの気持ちと、それでも最後まで手放せなかった思いを綴っています。

※本記事は個人の体験をもとに綴っています。治療内容や回復の経過、感じ方には個人差があります。傷や再建部の赤み、熱感、痛み、腫れ、浸出液、発熱など気になる変化がある場合は、自己判断せず、手術を受けた医療機関へご相談ください。掲載している商品・サービスは一例であり、治療効果を示すものではありません。体調や生活環境に合わせ、無理のない範囲でご検討ください。