目を覚ましたとき、私は見知らぬ病院のベッドの上にいました。
窓の外は真っ暗で、時間の感覚もありませんでした。
おそらく、搬送されてから一夜が明けた夜中だったのだと思います。
ぼんやりとした意識の中でも、最初に頭に浮かんだのは――
お腹の子のことでした。
まだ胎動もはっきりしない時期。
お腹のふくらみだって、ようやく少しずつ感じ始めた頃。
「あの子は……助かったの?」
その言葉を口に出してしまうのが怖くて、
私は看護師さんを呼ぶことすらできませんでした。
もしそこで、「助からなかった」と告げられたら――
私はきっと、その場で壊れてしまう気がしたのです。
こぼれそうになる涙を胸の奥へ押し込みながら、
ただじっと、朝が来るのを待っていました。
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絶望の夜が明けて、ようやく見えた小さな希望
夜が明け、病室にやわらかな光が差し込んできた頃。
様子を見に来てくれた看護師さんが、私が尋ねるより先に、
一番聞きたかった言葉をくれました。
「臨月まで、頑張ってお腹の中で育てていこうね」
その瞬間、胸の奥で張りつめていたものが、少しだけほどけた気がしました。
前の日、私は別の病院で、ほとんど希望のないような言葉を受け取っていました。
「もう難しいかもしれない」
「助からない可能性も高い」
そんな空気の中にいた直後だったからこそ、
この言葉はあまりにもまぶしく感じました。
(生きてる……)
(あの子は、まだここにいてくれる……)
昨日までの出来事が、全部悪い夢だったのではないかと思いたくなるほど、
その朝は私にとって、奇跡の朝でした。
トイレに行くことさえ怖かった、絶対安静の入院生活
そこから始まったのは、絶対安静の入院生活でした。
基本的には、ほとんどベッドの上。
起き上がることも、動くことも、必要最低限。
唯一許されていたのは、トイレに行くことくらいでした。
でも、その「たった数歩」が、私にはとても怖かったのです。
ベッドから足を下ろすたびに、
トイレへ向かうたびに、
そして戻ってくるたびに――
「また出血したらどうしよう」
「今度こそ終わってしまうかもしれない」
そんな恐怖が、いつも頭から離れませんでした。
病院の空気は不思議なほど落ち着いていて、
あの夜の混乱が嘘のように、先生や看護師さんたちは穏やかでした。
「大丈夫、臨月まで頑張ろう」
その言葉を何度も聞くうちに、
私も少しずつ、その未来を信じたくなっていきました。
怖くないわけじゃない。
不安がなくなったわけでもない。
それでも、
赤ちゃんと一緒に退院する未来だけを、必死に想像して過ごしていました。
そんな中、ふとした瞬間に、ほんの少しだけ心がゆるむ時間もありました。
それは、看護師さんがそっと声をかけてくれたときだったり、
窓から差し込む光がやさしく感じられたときだったり。
ほんの一瞬でも「大丈夫かもしれない」と思える時間があると、
また次の不安に立ち向かう力が、少しだけ戻ってくる気がしたのです。
それでも――
次の瞬間には、また現実に引き戻される。
「もし、また出血したら」
「このまま、持ちこたえられなかったら」
頭の中には、最悪の想像ばかりが浮かび続けていました。
それでも私は、考えることをやめることができませんでした。
怖くても、不安でも、
この子を守れるのは、私しかいないから。
お腹にそっと手を当てながら、
何度も、何度も語りかけます。
「大丈夫だよ」
「一緒に頑張ろうね」
その言葉は、
本当は自分自身に向けていたのかもしれません。
入院中の私を支えてくれた、やさしいケアアイテム
絶対安静の入院生活は、体よりも心の方が疲れていくような毎日でした。
そんな中で、ほんの少しでも「落ち着く」と思えるものがあるだけで、
気持ちの張りつめ方が少し違ったのを覚えています。
たとえば、締めつけの少ないやわらかなパジャマや、
病室の冷えから肩を守ってくれる羽織もの。
そして、ふとした瞬間に触れるタオルのやさしさ。
あの頃の私は、そんな小さな“心地よさ”に何度も助けられていました。
妊婦さん向けのやわらかパジャマ
長くベッドで過ごす時間が続くと、締めつけの少ない服のありがたさを強く感じます。
お腹まわりをやさしく包んでくれるパジャマは、入院中や産前産後の時期にも心強い存在です。
さっと羽織れるやわらかカーディガン
病室の空調や、少し肌寒く感じる時間帯に、1枚あると安心できるのがカーディガン。
肩まわりをふんわり包んでくれるだけで、気持ちまで少し落ち着くことがあります。
肌にふれるたびほっとする、ふわふわバスタオル
張りつめた毎日の中では、ほんの小さな「心地よさ」が救いになることがあります。
ふわっとやさしいバスタオルは、体を拭く時間さえ少しだけやわらかいものにしてくれます。
どれも、何かを劇的に変えるものではないかもしれません。
それでも、しんどい時間の中で「少しでも自分をいたわる」ことは、思っている以上に大切だったように思います。
上の子たちの笑顔に、何度も救われた
そんな不安の中でも、
私の心を支えてくれていたのは、上の子たちの存在でした。
家が比較的近かったこともあり、時々、上の子たちがお見舞いに来てくれました。
照れ屋で、気持ちを大きく言葉にするのが得意ではない上の子。
でも、その静かな優しさの中に、赤ちゃんを待っている気持ちがちゃんと見えていました。
一方で、真ん中の子はとても素直で、
「赤ちゃん楽しみ!」と、まっすぐに嬉しさを伝えてくれる子でした。
今まで、こんなに長く子どもたちと離れたことはありませんでした。
本当は寂しいはずなのに、
お見舞いに来てもぐずることもなく、
できるだけいつも通りに振る舞ってくれる姿を見るたびに、
胸がいっぱいになりました。
あの子たちなりに、きっと何かを感じ取っていたのだと思います。
それでも笑ってくれること。
私を困らせないようにしてくれること。
何気ない会話をして帰っていってくれること。
その全部が、あの頃の私には本当にありがたかった。
「みんなで無事に帰ろうね」
そう心の中で何度も、何度も、お腹の子に話しかけていました。
母として、今できることは何だろうと考え続けた
24時間、気が抜けないような毎日でした。
少しでもお腹が張れば不安になり、
少しの違和感にも敏感になる。
目を閉じても、眠っても、
心のどこかではずっと緊張していて、
まるで細い糸の上に立っているような気持ちで過ごしていました。
そんな中で、私は何度も考えていました。
「今の私にできることは何だろう」
直接抱きしめることはまだできない。
代わりにできることがあるとすれば、
自分の体を整えて、少しでも赤ちゃんにいいものを届けることくらいでした。
それはまるで、お腹の赤ちゃんに宛てた手紙を書くような気持ちだった気がします。
当時はただ祈ることしかできませんでしたが、
もしあの頃の私に、今の私が何か声をかけられるなら、きっとこう言います。
「まずは、あなた自身の体を大切にしてあげて」
母親になるということは、
赤ちゃんのために頑張ることでもあるけれど、
同時に、自分の心と体を守ることでもあるのだと、今なら思います。
お腹の子のために、今できることを探していた頃の栄養サポート
不安でいっぱいの毎日の中でも、
「この子のために、何かできることはないかな」と、いつも考えていました。
直接抱きしめることはまだできなくても、
自分の体を整えて、お腹の赤ちゃんに少しでもいい環境を届けたい。
そんな思いで、食事や栄養のことにも目を向けるようになりました。
当時の私は、ただ祈ることしかできなかったけれど、
今振り返ると、「自分の体をいたわること」もまた、
母としてできる大切なことのひとつだったように思います。
クリニックでも採用されている葉酸サプリ「makana(マカナ)」
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妊活中・妊娠中の栄養サポートとして知られている
葉酸サプリ「makana(マカナ)」も、
“今できることをしたい”と思う方に選ばれている存在のひとつです。
管理栄養士監修で、必要な栄養をバランスよく取り入れたい方にも。
無理なく続けやすいのも、こういう時期には大切だと感じます。
「お腹の子のために、今できることをしたい」
そう願うお母さんの心と体に寄り添ってくれる、ひとつの選択肢として。
24週、深夜の異変。現実はあまりにも厳しかった
しかし――
祈りは、届きませんでした。
この病院に来てから1ヶ月半。
妊娠24週を迎えた深夜、またしても、あの大量出血が私を襲いました。
病室の空気が一瞬で変わる。
あわただしくなる周囲。
そして、少しずつ薄れていく意識。
「お願い、頑張って……!」
「頑張って、生きて……!!」
私は心の中で、お腹の子に叫び続けていました。
「二人で元気に退院しよう」
毎日毎日、そう約束して話しかけてきたのに。
どうして?
何が起きたの?
ようやく見えたはずの希望の光は、一瞬でかき消され、
再び、どす黒い恐怖が私を飲み込んでいきました。
想像を絶するストレスと、次々に襲いかかる不安。
母としての責任感で張りつめていた私の心と体は、
もう限界を超えていたのだと思います。
まとめ|束の間の希望は、あまりにも短かった
救急搬送の夜を越え、
「臨月まで育てよう」という言葉に、ようやく光を見たあの日。
絶対安静の病室で、私はただひたすら祈り続けていました。
赤ちゃんのこと。
上の子たちのこと。
そして、自分にできることを必死に探しながら。
けれど、その束の間の安らぎは、あまりにも短すぎました。
24週、深夜の静寂を切り裂く再出血。
意識が遠のく中で、私は再び絶望の淵に立たされていました。
それでもあの時の私は、
最後まで、あの子の命を信じようとしていたのだと思います。
次回記事へ
絶対安静の病室で過ごす時間は、長くて、不安で、それでもどこかに希望を探し続ける毎日でした。
お腹の中で懸命に生きようとしている小さな命。
そして、離れていても私を支えてくれた上の子たちの存在。
「まだ大丈夫」と信じたかったその願いは、ある夜、再び大きく揺さぶられることになります。
突然の再出血。緊迫する病室。
そして、24週の小さな命を繋ぐために動き出した医療チーム――。
次回は、「超未熟児【第3話】ドクターヘリで繋がれた24週の命。再出血の夜に集結した医療チーム」を綴ります。
▶ 超未熟児【第3話】ドクターヘリで繋がれた24週の命。再出血の夜に集結した医療チーム
※本記事は個人の体験談であり、特定の食品やサプリメントによる治療・予防を推奨するものではありません。
※紹介しているサプリメントは健康補助食品であり、病気の診断や治療には医師の指示に従ってください。
※現在治療中・通院中の方、妊娠中の方は、摂取前に必ず主治医へご相談ください。
※本記事はあくまで個人の体験であり、医療的なアドバイスではありません。診断や治療については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

