特別な関係【第13話】会えない時間が、ふたりを少しずつ変えていた

大人のパートナーシップ

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以前より、会う回数は少し減っていました。

前みたいに、休みのたび自然に会う訳ではなくなっていて、お互いにそれぞれの生活があり、忙しい日や、ひとりで静かに過ごしたい日も増えていました。

乳がんになってから、私たちの関係は少しずつ変わっていっていた気がしています。

最初は、その変化をどこか寂しく感じていました。 以前と同じではない事が、不安だったからです。

会えない時間が増えるたび、私は色々な事を考えてしまっていました。

この先、どうなるんだろう。 私はちゃんと隣にいられるんだろうか。 彼にとって、私は負担になっていないだろうか。

そんな答えのない不安を、ひとりで抱え込んでしまう夜もありました。

でも今振り返ると、会えない時間があったからこそ、少しずつ見えてきたものもあった気がしています。

会えない時間ほど、不安は大きくなっていました

会えない時間が続くと、人は色々な想像をしてしまうものなのかもしれません。

本当は何も変わっていないのに、距離だけが遠くなったように感じてしまい、連絡の温度や言葉の少なさ、ちょっとした間にさえ不安を重ねてしまっていました。

以前の私は、不安になると「会わない選択」をしようとしていました。 気持ちが沈んでいる時に会ったら、迷惑をかけてしまう気がしていたからです。

ちゃんと笑えないかもしれない。 重たい空気にしてしまうかもしれない。 そんな事ばかり考えていました。

でも、不思議な事に、実際に会うと答えはいつも同じでした。

会って良かった。 やっぱり安心する。 また頑張ろうと思える。

会う前に膨らんでいた不安は、彼の顔を見るだけで少しずつほどけていっていました。

特別な言葉があった訳ではありませんでした。 大きな愛情表現があった訳でもありませんでした。

それでも、同じ空間にいて、同じ時間を過ごしているだけで、「大丈夫だった」と思えていました。

私はきっと、「安心できる場所」が欲しかったのだと思います。

彼の優しさは、静かに寄り添うものでした

彼は、特別ロマンチックな言葉をたくさん言う人ではありませんでした。

いつも完璧な訳でもなく、私が伝えた事を忘れてしまう事もありましたし、継続できない事もありました。

それでも、小さな不満を伝えると、少しずつ直そうとしてくれていました。

その不器用な優しさが、私は好きでした。

派手な愛情表現ではなくても、ちゃんと向き合おうとしてくれている事が伝わってきて、その姿勢に私は何度も救われていました。

若い頃の恋愛は、もっと刺激や言葉を求めていた気がしています。

「好き」と言われる事。 求められる事。 特別扱いされる事。

そういうわかりやすい愛情ばかりを見ていました。

でも今は違っていました。

一緒にいる時に安心できる事。 弱っている時に、ちゃんと受け止めてもらえる事。 無理に励ますのではなく、静かに隣にいてくれる事。

そういうものの方が、ずっと深く心に残るようになっていました。

恋愛の形が変わったというより、私自身の求めるものが変わっていたのかもしれません。

病気をしてから、見える景色も変わっていました

乳がんになってから、私はたくさんの不安を抱えるようになっていました。

体の事。 将来の事。 女性としての自信。

以前と同じ自分ではいられないような気がして、苦しくなる日もありました。

鏡を見るたび、気持ちが沈む日もありましたし、これまで通り恋愛なんてできるんだろうかと思う日もありました。

でもその一方で、病気をしたからこそ見えたものもありました。

楽しい時だけではなく、不安な時にも隣にいてくれる人の存在でした。

弱さを見せても離れていかない関係でした。

無理に励ますのではなく、静かに寄り添ってくれる安心感でした。

そういうものが、少しずつ私の中で大きくなっていっていました。

以前より会う回数は減っていました。

でも、信頼は前より深くなっている気がしていました。

会えない時間の中でも、「大丈夫」と思える瞬間が増えていたからです。

会うたびに、また答えを見つけていました

この先も、きっと不安になる日はあると思っています。

寂しくなる日もあると思っていますし、どうしたらいいのかわからなくなる日も、また来るのかもしれません。

それでも私は、会う事を諦めたくありませんでした。

不安な時ほど、ちゃんと顔を見たいと思っていましたし、同じ時間を過ごしたいと思っていました。

会う事でしか、わからない気持ちがある気がしていたからです。

会うたびに私はまた、同じ答えに戻っていました。

やっぱり、この人で良かった。

乳がんになって、失ったものもたくさんありました。

でもその中で、以前より深い信頼を見つけられた事は、きっと私にとって大きな意味があった気がしています。

会えない時間の中で、少しずつ深くなっていたもの。

それはきっと、「好き」という気持ちだけではなく、安心して弱さを見せられる関係だったのかもしれませんでした。

Rino’s Choice|心が揺れる夜に、そっと寄り添ってくれたもの

やさしい香りのアロマディフューザー

気持ちが不安定な夜は、静かな香りに何度も救われていました。 部屋の空気が少し変わるだけで、張り詰めていた気持ちがゆっくりほどけていく気がしていました。

あたたかいハーブティー

考えすぎて眠れない夜は、温かい飲み物をゆっくり飲む時間を大切にしていました。 深呼吸するように飲めるやさしい味が、少しだけ心を落ち着かせてくれていました。

気持ちを書き出せるノート

言葉にならない不安は、書き出してみるだけでも少し整理できていました。 誰にも見せない本音を書く時間が、自分を支えてくれていました。

やわらかな間接照明

部屋の灯りを少し落とすだけで、不思議と気持ちが穏やかになっていました。 何も頑張れない夜は、静かな空間を作る事を大切にしていました。

ひとりで抱え込みすぎてしまう時に

不安や悩みは、ひとりで考え続けていると、どんどん大きくなってしまう事がありました。

恋愛の事。 将来の事。 病気をした後の気持ち。

誰にも言えず、心の中だけで抱え込んでしまう夜もありました。

でも、本音を少し話せる場所があるだけで、気持ちが軽くなる事もありました。

「こんな事を相談していいのかな」と思うような気持ちでも、言葉にする事で、自分の本当の気持ちに気づける事もありました。

ひとりで抱え込みすぎてしまう前に、安心して話せる場所を持つ事も大切なのかもしれませんでした。

まとめ|会えない時間が教えてくれていたもの

以前より会う回数は減っていました。

前みたいに、いつでも自然に会える訳ではなくなっていました。

でも、会えない時間があったからこそ、見えてきたものもありました。

不安になる事。 寂しくなる事。 ひとりで考え込みすぎてしまう事。

そういう弱さを抱えたままでも、ちゃんと向き合おうとしてくれる人がいる事でした。

会うたびに、「やっぱり安心する」と思えていた事でした。

乳がんになって、失ったものもたくさんありました。

でもその中で、以前より深い信頼を見つけられた事は、私にとって大きな意味がありました。

会えない時間の中で、少しずつ深くなっていたもの。

それはきっと、安心して弱さを見せられる関係だったのかもしれません。

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