乳がん体験談【第21話】15時間の手術の先にあった涙と再会。亡き梵天丸への想いと、天丸へつなぐ命

※本記事は、筆者個人の術後生活と喪失体験を綴った記録です。また、一部プロモーションを含みます。

長い手術を終えたあと、私の中に残っていたのは、言葉にしきれないいくつもの感情でした。

体の痛みだけではなく、大切な存在を失った悲しみ。そして、これからどう生きていくのかという静かな不安。

それでも、時間はゆっくりと流れていきます。

これは、退院後の暮らし、愛犬との再会、亡き梵天丸への思いとともに、少しずつ前を向こうとした日々の記録です。

乳がん体験談【第21話】
涙と再会、そして梵天丸から天丸へつながる命

15時間の手術のあと、止まらなかった涙

15時間の手術を終えたあと、私はただ涙を流し続けていました。

痛みなのか、悲しみなのか、安堵なのか。自分でも分からないまま、感情だけがあふれていきました。

麻酔後のぼんやりとした意識の中、ただ「終わった」という感覚だけが遠くにありました。

大きな出来事のあと、気持ちを一つに整理できなくてもいい。今振り返ると、心も体も、起きたことへ追いつこうとしていたのだと思います。

退院、そして竺丸との再会

思っていたより早く訪れた退院の日。体はまだ思うように動きませんでした。

それでも、心の中にあった思いは一つでした。

竺丸に会いたい。

2週間ぶりの再会。変わらず全力で喜んでくれる姿に、安堵が広がりました。

けれど、大型犬の全身で表す愛情は、術後の体には強すぎました。うれしさと同時に、痛みともどかしさが押し寄せます。

「元気になったら、いっぱい一緒にいようね」

今は同じように動けなくても、会えた喜びは変わらない。そう心の中で約束しました。

術後は、犬の飛びつきやリードの引っ張り、抱き上げる動作が傷へ負担になる場合があります。家族に付き添ってもらう、最初は柵越しに会う、傷を保護するなど、手術方法と医療者の指示に合わせて安全を優先してください。

梵天丸を失った悲しみと、消えない存在

ふとした瞬間に、涙がこぼれる日々でした。

竺丸もまた、遠吠えをするようになりました。きっと梵天丸を探している。そう思うと、胸が締めつけられました。

わずか4歳と3日で旅立った、大切な存在。

やんちゃで、優しく、最後まで私を気遣ってくれた子でした。

姿が見えなくなっても、一緒に過ごした時間とぬくもりは消えない。今も、私の中に残っています。

悲しみには、決まった順番も期限もなかった

元気に見える日があっても、写真や気配を思い出した瞬間に涙が戻る。私の悲しみは、少しずつ小さくなるのではなく、波のように何度も訪れました。

泣かないことが回復でも、忘れることが前進でもありません。梵天丸を思いながら今日を過ごすことも、私にとっての大切な時間でした。

大切な存在を失った後の悲しみ方は、一人ひとり異なります。眠れない、食べられない、日常生活が保てない状態が続く場合は、主治医、がん相談支援センター、心理職などへ相談してください。自分を傷つけたい気持ちや身の安全を保てない状態がある場合は、身近な人へ知らせ、救急・医療機関など緊急対応が可能な窓口へつながってください。

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梵天丸からつながる思いと、新しい命

悲しみの中にいた私に、少しずつ新しい思いが芽生えました。

もう一度、ゴールデンレトリバーと暮らしたい。

「こんなに早く迎えていいのか」「梵ちゃんに申し訳ないのではないか」。迷いと罪悪感もありました。

それでも最後に心へ残ったのは、「きっと、梵ちゃんは喜んでくれる」という思いでした。

2月に生まれた小さな命。名前は「天丸」。梵天丸から一文字をもらいました。

天丸を迎えることは、梵天丸を忘れることでも、代わりにすることでもない。

梵ちゃんから受け取った愛情を、この子へつないでいく。梵ちゃんの分も、まっすぐに生きてほしい。そんな願いを込めました。

術後に新しいペットを迎える場合は、散歩、食事、排泄、通院などを誰が支えるか、成犬時の大きさや運動量、住環境、先住動物との相性も含めて検討が必要です。体調が安定するまで家族や周囲の支援を確保し、無理のない時期を選んでください。

心が追いつかないとき、頼れる場所を知る

術後の体と同じように、心の回復にも時間がかかることを私は知りました。

気丈に振る舞っていても、ふと涙が出る。理由もなく不安になる。「大丈夫」と思おうとするほど、無理をしてしまうこともありました。

ひとりで抱えなくてよい選択肢を知るだけで、少し心が軽くなることがあります。

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梵天丸へ。そして、これからも

梵ちゃん。

あなたの優しさは、今もずっとここにあります。
これからは天丸と一緒に、その思いをつないでいくね。
見守っていてね。

大好きだよ、梵ちゃん。

まとめ|悲しみを抱えたままでも、命はつながっていく

  • 15時間の手術後、いくつもの感情が重なり涙が止まらなかった
  • 竺丸との再会に喜びながら、術後の体の限界も感じた
  • 梵天丸を失った悲しみには、決まった期限がなかった
  • 梵天丸への思いを抱いたまま、新しい命「天丸」を迎えると決めた

新しい命を愛することは、亡くした存在への愛を手放すことではありません。

悲しみを抱えたままでも、少しずつ前を向いていい。梵天丸から受け取ったものを、これからの暮らしへつないでいきたいと思います。

次回記事へ

次回:乳がん体験談【第22話】
傷だらけの体を前に、女性としての自分を見失いそうになった日。公開後、この場所に記事リンクを追加します。

参考情報・相談先

本記事は、乳がん手術後の生活と、大切な愛犬を失った悲しみについて、筆者個人の体験をもとに綴っています。手術内容、回復経過、心の反応には個人差があります。体調や傷に不安がある場合は主治医・医療機関へ、つらさが続く場合は、がん相談支援センターや心理職などへご相談ください。商品・サービスは選択肢の一例であり、治療効果を示すものではありません。価格、在庫、仕様、利用条件は各掲載ページで最新情報をご確認ください。参考情報は2026年7月29日に確認しました。