※本記事はプロモーションを含みます。
大学病院という「最後の砦」に守られながら、私は絶対安静の日々を過ごしていました。
少し羊水が濁っていると言われた、決して万全とはいえないお腹の中。それでも、時折ぽこぽこと蹴ってくれるわが子の存在だけが希望でした。
「まだ大丈夫」「どうか、もう少しだけ」。そんな祈りで一日一日をつないでいた私に、転院からわずか3日目、突然の急変が訪れます。
白い天井だけの毎日に、季節をくれたもの
窓の外の景色さえ自由に見られない病室で、私の世界は驚くほど小さくなっていました。
ベッドの上、白い天井、点滴の音、看護師さんの足音。毎日が同じように過ぎる中、気持ちまで止まってしまいそうでした。
そんなとき、ふと目に入る色や季節感が、心を少しだけ外の世界へ連れ戻してくれました。
自分のためのやさしいものが一つあるだけで、張りつめた心がふっと緩むことがあります。
25週3日|突然の破水と陣痛
出血はいったん落ち着いていました。だからこそ、「このまま持ち直してくれるかもしれない」と、ほんの少し希望を持っていました。
けれど、その希望は突然、音を立てるように崩れていきました。
その瞬間、病室の空気が変わりました。
「何かが起きた」と感じた次の瞬間には、追いかけるように陣痛が始まりました。最初は耐えられた痛みが、少しずつ、確実に強くなっていきます。
そして私は、嫌でも悟りました。もう、引き返せない。
お腹の子は、まだ25週3日。あまりにも小さく、未熟な命でした。それでも現実は待ってくれません。
陣痛が進むにつれ、再び出血も始まりました。視界が遠くなり、意識がふわりと離れていく、あの恐ろしい感覚が私を包みました。
妊娠中に破水が疑われる、水のようなものが流れる、出血、規則的な痛みなどの異変がある場合は、自己判断せず、すぐにかかりつけの産科医療機関へ連絡してください。
逆子という現実|つながった一つ目の巡り合わせ
当時の私は、早産だけでなく、赤ちゃんがとても小さく、逆子の状態でもありました。
あとから聞いた話では、この状況で帝王切開を担当できる経験豊富な医師は限られていたそうです。
けれど、その先生が偶然にも、そのとき大学病院の近くにいたのだと聞きました。
もし先生がいなかったら。もしタイミングが少しでもずれていたら。そう考えるたび、今でも背筋が冷たくなります。
自分の力ではどうにもならない瞬間に、見えないところで命を支える巡り合わせがあった。私たち親子は、本当にぎりぎりのところでつなぎ止められていました。
輸血が難しい|不規則抗体という二つ目の壁
さらに、もう一つの大きな問題が見つかりました。妊娠をきっかけに、私の体には「不規則抗体」ができていたのです。
当時の私は、その言葉を十分に理解できていませんでした。ただ、先生たちの表情から、ただ事ではないことだけは伝わってきました。
私は「通常用いられる血液をそのまま輸血することが難しく、抗体に適合する血液が必要」と説明を受けました。そのうえ、大量出血の可能性がある緊急帝王切開を控えていました。
もし血液が間に合わなかったら。
そんな一つひとつの「もし」が、命に直結する場面だったのだと思います。
けれど、私の抗体に対応できる血液が確保できたのです。それが当たり前ではなかったことを、あとから知りました。
あのとき血液が確保されていなかったら、私は今、ここでこの話を書けていなかったかもしれません。
不規則抗体の種類や輸血への影響は人によって異なり、必要な検査や対応も変わります。ここで記しているのは、当時の私が医療者から受けた説明と体験です。
手術台の上で見た、忘れられない光景
そして、いよいよ緊急手術へ。そこから先は、感情を整理する余裕もなく、状況に押し流されるような感覚だけが残っています。
手術台の上でうっすら意識が戻ったとき、目に飛び込んできたのは、今でも忘れられない光景でした。
目の前には、研修医と思われる方々がずらりと並んでいたのです。
自分がどんな状態なのか、何が見えているのか。考える余裕もなく、「すごい人数だ……」という感覚だけがぼんやり残りました。
周囲の音は遠く、世界が水の中にあるようでした。私はその光景を最後に、麻酔へ沈むように意識を手放しました。
最後に何を強く願ったのか、正確には思い出せません。それでも、母としての本能だけは最後まで消えていなかったのだと思います。
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妊娠や出産は、予定どおりに進まないことがあります。ここでは、あの頃の私が「知っているだけでも気持ちが少し違ったかもしれない」と感じるものを選びました。
切迫早産などで治療中の場合は、購入や使用を急がず、ご自身の体調と医療者の指示を優先してください。
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この経験を通して、無事であることは決して当たり前ではないと痛感しました。何かを急いで決める必要はありませんが、相談先を知ることが将来を考えるきっかけになる場合もあります。
いくつもの巡り合わせに守られ、手術室へ
医師との巡り合わせ。輸血に必要な血液の確保。あのタイミング、場所、判断。
どれか一つでも欠けていたら、今の私たちはここにいなかったかもしれません。
怖く、苦しく、何度も「もう駄目かもしれない」と思いました。それでも私たち親子は、人の手といくつもの巡り合わせにつなぎ止められていました。
命の現場では、一人ひとりの判断と準備が重なり、誰かの未来をつなぐことがある。私はあの日、そのことを身をもって知りました。
まとめ|25週3日、命をつないだいくつもの出来事
- 転院から3日目、妊娠25週3日で突然破水し、陣痛と出血が始まった
- 小さな赤ちゃんが逆子という厳しい状況で、経験豊富な医師が手術に駆けつけた
- 不規則抗体のため適合する血液が必要だったが、手術前に確保された
- 多くの医療者に見守られながら、緊急帝王切開へ進んだ
- 人の手と巡り合わせが、ぎりぎりの命をつないでくれた
当時の私は、起きていることを理解するだけで精一杯でした。
振り返って初めて、一つひとつの備えと出会いが私たちを守っていたのだと分かります。
次回記事へ
次回は、今回触れた「不規則抗体」と、通常の輸血が難しいと説明された危機について、さらに詳しく綴ります。
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※本記事は筆者自身の体験と当時受けた説明をもとに綴った個人の記録であり、医療的な助言ではありません。症状、検査結果、輸血や手術の対応は一人ひとり異なります。妊娠中に破水が疑われる症状、出血、規則的な痛み、胎動の変化などがある場合は、自己判断せず、かかりつけの産科医療機関または救急へ連絡してください。




