乳がん体験談【第13話】副腎検査の結果と、乳房再建で知った現実

人生の軌跡と体験談

乳腺外科を初めて受診してから、気づけば約半年が過ぎていました。

この日は朝一番から内分泌科での最終検査、そして午後には形成外科の受診。
ひとつの不安に区切りがつくかもしれない一日でありながら、また別の現実を知ることになるかもしれない、そんな長い一日でもありました。

体のことを考えるだけでも精一杯なのに、次から次へと向き合わなければならないことが増えていく。
それでも病院へ向かうしかなくて、私は少し重たい気持ちのまま、その朝を迎えていました。

※本記事はプロモーションを含みます。

副腎、卵巣、肝臓……ようやくひとつの答えが出る日

乳がんのことだけでも十分に気持ちが追いつかないのに、これまでの検査では副腎、卵巣、肝臓と、いくつもの「気になる箇所」が見つかっていました。

そのたびに頭に浮かぶのは、悪い結果だったらどうしよう、という不安ばかり。
ひとつ安心しても、また次の不安がやってくる。その繰り返しの中で、心は思っていた以上にすり減っていたように思います。

この日は、その中でもずっと気がかりだった副腎について、ようやくひとつの答えが出る日でした。

副腎検査の終結。今すぐ治療が必要ではないという安堵

前回の副腎検査は、今思い出してもなかなか過酷でした。

2時間ものあいだベッドで安静にしながら検査を受ける時間は、体だけでなく気持ちの面でもずいぶん負担が大きく、「検査だけでこんなに疲れるんだ」と感じたほどでした。

だから今回も、ある程度の覚悟をして病院へ向かっていたのです。

ところが、今回は30分ほど安静にして採血をするだけ。
あまりにもあっさり終わってしまって、思わず「え、これだけ?」と拍子抜けしてしまいました。

そして結果は――今回も問題なし

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥にずっと張りつめていたものが、少しだけゆるんでいくようでした。

もちろん、これですべて終わったわけではありません。
左の副腎の腫れそのものが消えたわけではなく、今後も5年間、年に一度のCTと血液検査で経過を見ていくことになりました。

長い付き合いになる。そう聞くと、決して軽い話ではありません。
それでも、「今すぐ治療が必要ではない」という診断は、そのときの私にとって本当に大きな救いでした。

完治という言葉にはまだ届かないけれど、それでも確かに一歩前に進めた。
そう思えるだけで、少しだけ呼吸がしやすくなった気がしました。

大学病院という場所で、いつも考えてしまうこと

その日は月曜日ということもあって、大学病院は朝から人であふれていました。

受付も待合も廊下もいっぱいで、座る場所を探すのもひと苦労。
ただそこにいるだけで息苦しさを感じるような、そんな混雑でした。

病院に来るたびに、私はいつも同じことを考えてしまいます。

これほど多くの人が、それぞれの病気や不安を抱えながら、今日もここに来ていること。
しかもその中には、まだ小さな子どもたちまでいるという現実。

幼い子どもが未来をかけて治療と向き合っている姿を見るたびに、胸の奥が苦しくなります。

病に伏せることなく、当たり前のように日常を重ねていけること。
それがどれほど尊くて、どれほど満たされたことなのか、こういう場所に来るといやでも思い知らされます。

命はとても重いのに、その重さは決して平等ではない。
大学病院には、そんな理不尽さと、それでも生きようとする強さが、静かに漂っているように感じました。

午後の形成外科。私が本当に知りたかったこと

副腎の結果に少しだけ安堵したあと、午後はいよいよ形成外科の受診でした。

ここで聞く話は、ただの治療方針ではありません。
乳房再建という、これからの自分の体と気持ちに深く関わる、大切な話です。

私は、お腹の脂肪を使って胸を作る「自家組織再建」を希望していました。

再建には時間もかかるし、負担もリスクもあります。
それでも待ち続けてきたのは、少しでも自分を取り戻したいという思いがあったからでした。

見た目だけの話ではありません。
女性としての感覚や、自分の心の折り合いをどうつけていくかという、とても繊細で大切な問題でもありました。

形成外科で知った、再建手術の本当の姿

診察室で医師が見せてくれたのは、手書きの説明図でした。

とても簡単な図のはずなのに、そこに描かれた線は私にとってあまりにも生々しく、思わず言葉を失ってしまいました。

胸の中央に残る「楕円形の傷跡」

お腹に横の傷が残ることは、ある程度覚悟していました。
でも、再建した胸の真ん中に、はっきりと楕円を描くような傷跡が残ると知ったときの衝撃は、想像以上のものでした。

私はどこかで、「再建すれば、なるべく目立たない形で元に近づけるもの」と思い込んでいたのかもしれません。

けれど現実は違いました。
再建は、ただ“きれいに戻る”ことではなく、手術の跡とともに生きていくことでもあるのだと、その図は静かに教えてきました。

乳頭再建という、思っていたより高い壁

私は胸の形だけでなく、乳頭の再建まで含めて考えていました。

そこまでできて初めて、少し取り戻せたような気持ちになれるのではないか。
そんな思いがどこかにあったのだと思います。

けれど医師の話では、実際にはそこまで進む人はそれほど多くないとのことでした。

体力の問題、気持ちの問題、手術の回数や優先順位。
いろいろな事情があるのだろうと頭ではわかっていても、私はただ驚くしかありませんでした。

再建とは、思っていたよりずっと長くて、ずっと簡単ではないもの。
その現実が、じわじわと胸に落ちてきました。

理想と現実のあいだで、こぼれそうになった涙

医師の説明を聞いているあいだ、私はできるだけ冷静でいようとしていました。

でも本当は、心の中が大きく揺れていました。

手書きの図に描かれた胸の真ん中の大きな傷跡。
その線を見つめたまま、気持ちが追いつかなくなっていったのを覚えています。

綺麗になるための再建だと思っていた。
自分を取り戻すための再建だと思っていた。

なのに、目の前にあったのは、あまりにも生々しい「手術の痕」でした。

あまりの衝撃に、情けないことに泣きそうになってしまいました。

そしてふと、こんな思いが胸に浮かびました。

「綺麗になりたいと願うことは、いけないことなのだろうか」

もちろん、命があることが最優先です。
それは頭では何度もわかっています。

でも、それと同じくらい、女性として傷つく気持ちや、失ったものへの悲しさ、見た目に対する苦しさも確かにあるのです。

それは贅沢でも、わがままでもなくて、ちゃんと心に残る傷なのだと思いました。

Rino’s Choice|病院の日のあと、自宅で体を休めるために

こういう日は、病院での時間が終わればそれで終わり、というわけではありませんでした。

むしろ本当の疲れが押し寄せてくるのは、家に帰ってからだったように思います。
気を張っていたぶん、玄関を開けた瞬間に力が抜けて、何も考えられなくなるような日もありました。

そんなとき、自宅で少しでも体を休められる環境があることは、思っていた以上に大切でした。
ここでは、私のように病院通いの疲れや不安を抱える日々の中で、家の時間を少しやわらげてくれるものをやさしくご紹介します。

ベッド|ただ横になるだけでなく、気持ちまでほどける場所

体がしんどい日や、気持ちが沈んでしまう日は、まず「横になれる場所」があるだけで救われることがあります。

ベッドは、ただ眠るためのものではなくて、張りつめていた気持ちを少しゆるめてくれる場所でもあるように感じました。

病院帰りにぐったりしてしまった日、不安ばかりが膨らんでしまう夜。
そんなとき、きちんと体を預けられるベッドがあるだけで、呼吸が少し深くなるような安心感があります。

毎日を頑張るためというより、頑張れない日を責めずに過ごすために。
自宅でしっかり休める場所を整えることは、とても大切なことだと感じました。

布団セット|家の空気をやわらかく整えてくれるもの

落ち込んだ日や何も考えたくない日ほど、身のまわりが少し整っているだけで気持ちがほっとすることがあります。

やわらかな掛け布団、肌ざわりのよいシーツ、ふんわり包まれるような寝具。
そうした小さな心地よさは、思っている以上に日々の疲れをやわらげてくれるものでした。

特別なことではなくても、毎日触れるものがやさしいだけで、家の時間の空気は少し変わります。
「ちゃんと休んでいい」と思わせてくれるような感覚に、何度も助けられました。

パジャマ|家に帰った自分をやさしくほどく一枚

家に帰って着替える瞬間は、気持ちを切り替える小さな合図のようでもあります。

締めつけが少なくて、肌あたりがやさしくて、無理をしなくていいと思わせてくれるパジャマ。
そんな一枚があるだけで、心まで少し軽くなることがありました。

外では気丈に過ごしていても、家の中では少しでも自分を甘やかしてあげたい。
パジャマは、そんな気持ちにそっと寄り添ってくれる存在だったように思います。

これからのことを、一人で抱え込まないために

病気の現実と向き合うだけでも十分に苦しいのに、その先には費用のこと、生活のこと、家族のことなど、考えなければならないことがいくつもあります。

不安をひとりで抱え込んでいると、気持ちはどんどん苦しくなってしまいます。
そんなとき、専門家に相談できる場所があることは、それだけで安心材料になることもあります。

がん保険の相談という選択肢

たとえば、がん保険や今後の備えについて、複数の選択肢の中から自分に合ったものを相談できるサービスがあると、「何をどう考えたらいいのかわからない」という不安を少し整理しやすくなることがあります。

ママや家族に寄り添いながら、30社以上のがん保険の中から希望に合ったプランを探してくれる相談サービスもあるので、もし今、これからのことが不安でいっぱいなら、ひとつの選択肢として知っておくのもよいかもしれません。

※本記事は個人の体験談であり、特定のサービスを強く推奨するものではありません。保険の検討や加入については、ご自身の状況に合わせてご判断ください。

体の不安がひとつ消えても、心はすぐには軽くならない

副腎について「今すぐ問題なし」という結果を聞けたことは、本当にうれしかったです。

でもその一方で、形成外科では思っていた以上に重たい現実を突きつけられました。

体の不安がひとつ減ったからといって、心まで同じように軽くなるとは限らない。
そんなことを、あらためて思い知らされた一日でした。

病院を後にするころには、心も体もすっかりクタクタになっていました。

うれしさと悲しさが同時にあって、自分でも気持ちをうまく整理できないまま、それでもまた前に進んでいかなければいけない。
そんな静かな疲れが、ずっと体の中に残っていたように思います。

でも、これが今の私の現実です。
この傷跡とどう向き合っていくのか、どんなふうに自分の気持ちを受け止めていくのか。焦らず、少しずつ考えていこうと思います。

次回の記事へ

副腎の不安にひとつ区切りがついたと思ったその先で、待っていたのはまた別の重たい現実でした。

入院の日が近づくにつれて増していく不安。
そして、大切な愛犬たちを前にしたとき、どうしても抑えきれなかった気持ち――。

次回は、そんな入院へのカウントダウンの中で揺れていた心について綴ります。

▶︎ 次回記事:
乳がん体験談【第14話】重なる宣告と重い足取り。入院へのカウントダウンと、愛犬との「約束」

この記事について

※本記事は私自身の体験をもとにした個人の記録です。症状や検査、治療方針、感じ方には個人差があります。医療に関する判断は、必ず主治医や専門家にご相談ください。

※掲載している商品やサービスは、当時の暮らしや気持ちの流れの中でご紹介しているものです。特定の効果や結果を保証するものではありません。

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