大型犬との日々【第10話】入院直前に選んだ道。愛犬のために向き合った高額医療という現実

※本記事はプロモーションを含みます。

ゴールデンの愛犬・ゴルに末期がんの宣告を受けてから、数日が経とうとしていました。

このまま住み慣れた家で、できるだけ穏やかに過ごさせてあげよう。そう思っていたはずでした。

けれど、少し調子が良さそうに見える瞬間があるたび、胸の奥に小さな期待が生まれます。

本当に、もう末期なのだろうか。
何か別の病気なのではないか。

淡い希望を何度も打ち消しては、また拾い上げるような日々でした。

🐾 仲良しだったふたりを、離した日々

この頃のゴルは、もう以前のように散歩へ行けませんでした。

遠くまでは歩けず、家の庭をゆっくり回るだけ。それでも、数分だけでも外へ出たいと訴える姿が、たまらなく愛おしかったのを覚えています。

ほんの少し風に当たる時間も、ゴルにとっては「生きている時間」そのものだったように思います。

そんなゴルのそばには、いつももう一頭の愛犬・バニがいました。元気だった頃は激しくじゃれ合い、疲れたらぴったり寄り添って眠る、本当の兄弟のようなふたりです。

けれど今のゴルには、そのいつもの距離さえ負担になります。

悩んだ末、ふたりを別々の部屋で過ごさせることにしました。ただ、完全に引き離すことはできませんでした。

せめて声や気配だけでも届くように。扉越しにお互いの存在を感じられる距離へ、それぞれの居場所を作りました。

ゴルが静かに横になる一方、バニは大好きな相棒と一緒にいられず、よく鳴いていました。その声を聞くたび、胸が締めつけられました。

「どうして一緒にいられないの?」

そう聞かれているようで、苦しかったです。それでも、ふたりの体と心を守るために、その時できる形を探すしかありませんでした。

🌫️ 「このままでいいのかな」と揺れ始めた気持ち

本当は、もう家で静かに看取ろうと決めていました。

これ以上痛い思いをさせたくない。怖い検査や慣れない場所で、最後の時間を奪いたくない。そう思っていたはずでした。

でもゴルは、完全に寝たきりではありませんでした。

苦しそうな日がある一方で、表情がやわらぐ瞬間もある。少し歩ける日もある。こちらを見て、まだちゃんと反応してくれる。

そんな姿を見るたび、まだ何かできることがあるのではないかと思ってしまうのです。

そして私は、もう一度かかりつけの獣医師へ相談しました。

🏥 先生のひと言で、気持ちが動き出した

「今、少しでも動けるうちに、大学病院でしっかり診てもらってはどうか」

そのひと言が、迷っていた私の心を大きく動かしました。

日に日に弱る体。お腹から聞こえる痛々しい音。見ているだけで苦しくなる、小さな変化の積み重ね。

それに加え、私自身も翌月から1か月の入院が決まっていました。

私が家を空ける前に、今できることを、できる限りしてあげたい。その思いが強くなっていきました。

紹介されたのは、自宅から車で約2時間の動物専門の大学病院です。

当時、説明を受けた費用の目安

診察:約5万円
CT検査:10万〜20万円ほどになる可能性

※実際の費用は病院、検査内容、動物の状態などにより異なります。

その金額を聞いた瞬間、正直、頭が真っ白になりました。簡単に「お願いします」と言える金額ではありません。

お金の不安も現実の厳しさも分かっていました。それでも「今、体の中で何が起きているのか知りたい」という気持ちが勝りました。

🕊️ 入院前、残されたわずかな時間の中で

自分の入院まで、あとわずか。その前に予約が取れなければ、もう間に合わないかもしれない。

祈るような気持ちで大学病院へ連絡すると、奇跡のように空きがありました。予約日は、私が入院するほんの数日前でした。

あまりに出来すぎていて怖いほどでしたが、「今、行くべきなんだ」と背中を押されたようにも感じました。

結果がどうであれ、きちんと受け止めたい。ただ漠然と死を待つのではなく、ゴルの体で起きていることを知りたい。

もし少しでも望みがあるなら。もし痛みを減らす方法があるなら。最後まで、何かひとつでもしてあげたかったのです。

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正解の分からない療養の日々でも、「これがあって少し助かった」と感じるものがあると、飼い主の心と体にも小さな余白が生まれます。

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🌸 「何もしない後悔」を残さないために

多額の費用。自分自身の入院。そして、愛犬の命が少しずつ削られていく現実。不安はひとつではありませんでした。

「知ること」は、ときに残酷です。聞きたくなかった現実を突きつけられるかもしれません。

それでも私には、何もしないまま時間だけが過ぎることのほうが怖かったのです。

強かったわけではありません。
ただ、後悔だけはしたくなかった。

あの日、私が選んだのは、ゴルの状態をきちんと知り、今できることへ向き合う道でした。

  • 療養中のゴルとバニが互いの気配を感じられる環境を作った
  • 自宅で過ごすか、大学病院で詳しく診てもらうか迷った
  • 高額な費用と自分の入院を前にしても、検査を受けると決めた
  • 何もしなかった後悔を残さないことを選んだ

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大学病院で待っていた重い現実と、ゴルが最後に見せてくれた忘れられない小さな奇跡を綴ります。

大型犬との日々【第11話】大学病院で告げられた余命数日