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あの喧嘩から、数日が経ちました。
けれど、彼との距離は元に戻るどころか、前よりもずっと遠くなってしまったように感じていました。
ちゃんとつながっているはずなのに、心だけが置き去りになっていく。
そんな感覚の中で、私は少しずつ、自分というものを見失いかけていたのだと思います。
乳がんの告知を受けてから、女性としての自信は、思っていた以上に深く揺らぎました。
前を向こうとしても、すぐに立ち止まってしまう。
気持ちを整えたつもりでも、ふとした瞬間に後ろばかり振り返ってしまう。
そんな毎日が続くうちに、彼の何気ない言葉さえ、今の私には鋭く心に刺さるようになっていました。
以前なら笑って受け流せたはずの一言が、どうしてこんなにも苦しいのだろう。
自分でもわからないまま、心の中に小さな痛みが積もっていったのです。
既読のつかない画面に、やり場のない感情をぶつけてしまった
年末年始の彼は、仕事で忙しい時期でした。
頭ではわかっているのです。
忙しいことも、すぐに返事ができないことも、決して私をないがしろにしているわけではないことも。
それでも、前回の喧嘩の余韻は心の中でずっと燻り続けていました。
私は「いつも通り」を装っていたつもりでした。
でも本当は、少しも平気ではなかったのだと思います。
ある瞬間、まるで心の奥に火がついたように感情があふれ出して、私は彼に強い言葉をぶつけてしまいました。
直接言えるわけでもなく、既読のつかないLINEの画面に並ぶ、きつい言葉たち。
返ってこない画面に向かって、私は一人で壊れるように感情を吐き出していました。
「いっそ呆れられて、捨ててくれたらいいのに」
そんな自暴自棄な気持ちまで浮かんでしまう自分が、情けなくて、悲しくて、余計に苦しくなる。
どうして私は、こんなにもボロボロになりながら、それでも彼との15年という時間にしがみついているのだろう。
答えの出ない問いを抱えたまま、暗いスマホの画面だけが冷たく光っていました。
重なる喪失の中で、女性としての自信が崩れていった
私はこれまでにも、大きな喪失を経験してきました。
子宮を失い、そして今度は、乳がんによって片方の胸を失おうとしている。
再建という選択肢を選んだとしても、その過程で体に刻まれる傷や、心に残る揺らぎが消えるわけではありません。
鏡を見るのが怖い。
これからの自分の体を想像するだけで、胸が苦しくなる。
そんな日が、少しずつ増えていきました。
彼はきっと、これまでと変わらず接してくれる。
実際に、そういう人だと私はわかっていました。
でも、問題は彼ではなかったのです。
私が受け入れられないのは、彼の気持ちではなく、変わっていく自分自身でした。
自分を好きでいること。
自分を誇らしく思うこと。
そして、自分らしく生きること。
それを取り戻すまでには、今の私にはあまりにも長い時間が必要に思えました。
この暗闇は、本当に終わるのだろうか。
私はまた、前を向いて笑える日が来るのだろうか。
そんな不安ばかりが、静かに心を支配していったのです。
病気を言い訳にしたくないのに、心は沈んでいく
これから先、何度も不安に押しつぶされそうな夜が来るのだろうと思っていました。
特に、手術を待つ今の時間は残酷でした。
まだ何も終わっていない。
でも、もう今までの自分のままではいられない。
その途中に立たされている感覚は、思っていた以上に心を削っていきます。
自分の体が大きく変わったとき、私は彼とどう向き合えばいいのだろう。
そして何より、自分自身とどう向き合えばいいのだろう。
不安を全部、病気のせいにしてしまいたくはありませんでした。
病気だから仕方ない、と言い切ってしまえば少しは楽なのかもしれない。
でも私は、そうやって自分を諦めたくなかったのです。
だからこそ苦しかった。
気持ちは落ちていくのに、それを認めることさえどこかで拒んでいたからです。
私はあの頃、消えてしまいそうな自分を、必死につなぎ止めようとしていました。
この試練を越えた先に、もう一度前を向いて生きられる日が来るのなら。
それはきっと、何にも代えがたいほど尊いことなのだろうと思います。
誇らしく生きる「サバイバー」という存在に、希望を見ていた
世の中には、乳がんを経験しながらも、凛と前を向いて生きている女性たちがいます。
「がんサバイバー」という言葉を目にするたびに、今の私にはその姿がとても眩しく映りました。
病気に負けない強さというより、現実をそのまま受け止めながら、自分の人生をもう一度大切に生き直している姿。
その静かな強さに、私は何度も心を動かされていました。
今の私は、まだそこまでたどり着けていない。
不安で揺れて、感情を持て余して、彼との関係にも自分自身にも迷ってばかりいる。
それでもいつか、人への感謝を忘れず、自分の人生をちゃんと抱きしめながら歩ける人になりたい。
毎日を生き生きと過ごせる自分を、もう一度取り戻したい。
これを乗り越えた先には、きっと今までとは違う強さを持った自分がいる。
そのことを、わずかでも信じていたかったのです。
Rino’s Choice|揺れる心をやさしく整える、小さな支え
心が大きく揺れているときは、何かを根本から解決することよりも、まず今日を穏やかにやり過ごすことのほうが大切な日もあります。
すぐに元気になれなくてもいい。
ちゃんと前向きになれなくてもいい。
ただ、少しだけ呼吸がしやすくなるものがそばにあると、それだけで救われることがあります。
ここでは、そんな不安定な時期にそっと寄り添ってくれそうなものを、やさしくご紹介します。
ふっと力を抜かせてくれるアロマの香り
気持ちが張りつめているとき、部屋の空気をやさしく変えてくれる香りに助けられることがあります。
アロマは、すぐに何かを変えてくれるものではないかもしれません。
でも、眠る前の時間や、一人で気持ちを整えたい夜に、ほんの少し心をゆるめるきっかけになってくれることがあります。
強すぎないやさしい香りを選ぶと、気持ちが疲れている日にも取り入れやすいように思います。
不安で心が落ち着かない夜に。やさしい香りが、張りつめた気持ちをそっとほどくお手伝いをしてくれます。
乾いた空気と心をやわらげてくれる加湿器
気持ちが沈んでいるときは、部屋の乾いた空気さえもどこかつらく感じることがあります。
加湿器で空間を少し整えるだけでも、呼吸のしやすさや過ごしやすさが変わることがあります。
特別なことではなくても、暮らしの中の小さな心地よさは、弱っているときほど大きな支えになります。
見た目がシンプルで、音がやさしいものだと、夜の時間にもなじみやすいかもしれません。
乾燥しやすい季節や、気持ちを整えたい部屋時間に。空間を少しやわらかくしてくれる、静かな味方です。
自分をいたわる時間を思い出させてくれる美顔器
大きな不安の中にいると、自分を丁寧に扱うことさえ後回しになってしまうことがあります。
だからこそ、美顔器のように「自分をいたわる時間」を思い出させてくれるものがあると、少しだけ気持ちが戻ってくることがあります。
美容のためだけではなく、自分に手をかけてあげることそのものが、心を立て直すきっかけになることもあります。
今の自分を無理に好きになれなくても、丁寧に扱ってあげることはできる。
そんな気持ちを取り戻す小さな時間として、取り入れるのもいいのかもしれません。
自分を後回しにしがちな時期に。少しだけでも自分をいたわる時間を持ちたい方に、やさしく寄り添うアイテムです。
一人で抱えきれない心の叫びに、耳を傾けてもらうという選択
病気への恐怖。
パートナーへの拭いきれない不信感。
そして、少しずつ失われていく自信。
自分を保とうと必死になればなるほど、心は悲鳴を上げ、時には身近な人に強い感情をぶつけてしまうこともあります。
本当は傷つけたいわけじゃない。
本当は、ただ苦しいことをわかってほしいだけ。
それなのに、うまく言葉にできなくて、さらに自分を責めてしまう。
そんなふうに出口が見えなくなってしまったときは、身近な誰かではなく、専門家に気持ちを預けることもひとつの方法だと思います。
オンラインカウンセリングという、やさしい逃げ場
気持ちがいっぱいになっているとき、誰かに話すだけでも心が少し整理されることがあります。
とくに、感情の波が大きいときや、人間関係の悩みが重なっているときは、否定せずに受け止めてもらえる場所があることが、とても大きな安心につながります。
国家資格を持つカウンセラーによるオンライン心理カウンセリングは、外に出る気力がないときでも利用しやすく、自分の言葉で少しずつ気持ちを整えていく助けになってくれます。
「こんなことで相談していいのかな」と思うようなことでも、一人で抱え込まなくていい。
そう思えるだけで、救われる夜もあります。
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※サービスの利用については、ご自身の体調や状況に合わせて、無理のない範囲でご検討ください。
まとめ|揺らぐ自分を、手放さずにいたいと思った
自分自身の弱さに滅入りそうになる日々でした。
彼との距離に傷つき、変わっていく体に怯え、これからの人生に自信を持てなくなっていく。
そんな中で私が必死に守ろうとしていたのは、もしかしたら「彼との関係」だけではなかったのかもしれません。
本当に失いたくなかったのは、自分自身だったのだと思います。
揺らいでもいい。
立ち止まってもいい。
それでも、自分を見失ったまま終わりたくない。
これから先の人生を、自分らしく、そして誇らしく歩いていくために。
今の私に必要なのは、強くなることよりも、揺らぐ決意をその都度つなぎ直していくことなのかもしれません。
次回記事へ
そして次回、いよいよ手術当日を迎えます。
張りつめた気持ちのまま手術室へ向かい、麻酔に落ちる直前、私の脳裏をよぎったのは家族のことだったのか、それとも彼のことだったのか。
命の現場で、私が最後に強く感じたもの。
それは、言葉ではうまく説明できないほど静かで、けれど確かな「真実」でした。
次回は、手術を前にした心の揺れと、その瞬間に見えた想いを綴ります。
▶︎ 次回は
特別な関係【第8話】不安な心をたったひと言で救ってくれた彼
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
同じように、関係の中で揺れたり、自分を見失いそうになったりしている誰かに、この記録がそっと届いたら嬉しいです。
※本記事は個人の体験談です。感じ方や受け取り方には個人差があります。
病気や心の不調に関する判断・治療・支援については、必要に応じて医療機関や専門家へご相談ください。

